要約
Nagayama, K., Iwamoto, M., Fukuda, M., Yamamoto, K., Miyamoto, T., & Yamamoto, K. (2020). Fucosterol in edible brown seaweeds and its potential to improve glucose metabolism in vitro. Journal of Functional Foods, 65, 103714.この研究では、日本産の食用の茎わかめから、血糖値抑制効果があるとされる成分を探し出すためのin vitro研究が行われた。
その結果、茎わかめに含まれるフコステロールが、インスリン作用による糖の細胞内取り込みを促進することが示された。
茎わかめのフコステロールの摂取によって、糖代謝改善につながる可能性が示唆された。
詳細内容
本研究は、日本産の食用の茎わかめから、血糖値を抑制する可能性がある成分を探し出すための実験です。
茎わかめには、フコステロールという成分が含まれており、この成分が糖代謝改善に効果的であるという仮説を検証しました。
研究では、まず茎わかめからフコステロールを抽出し、その成分の純度を確認しました。
次に、細胞試験として、肝臓細胞と筋肉細胞を使って、フコステロールがインスリン作用によって糖の細胞内取り込みを促進するかどうかを検証しました。
その結果、フコステロールを投与した肝臓細胞と筋肉細胞は、インスリン作用によって糖の細胞内取り込みが増加することが確認されました。
また、フコステロールの投与によって、細胞内のグルコース濃度が低下することが明らかになりました。
これらの結果から、茎わかめに含まれるフコステロールが、糖代謝改善につながる可能性が示唆されました。
さらに、これまでの研究によって、フコステロールがコレステロール低下作用を持つことが示されており、茎わかめの健康効果につながる可能性があるとされています。
このため、今後の研究によって、茎わかめのフコステロールが、糖尿病やメタボリックシンドロームの予防・改善につながるかどうかが注目されます。
茎わかめのフコステロールを含む健康食品やサプリメントが開発される可能性もあります。
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