要約
日本の企業でも、Pythonを活用して業務効率化やデータ分析などに取り組んでいるところが増えています。
その中でも特に、株式会社リクルートマーケティングパートナーズがAIを活用した自動化マーケティングツールを開発したケースが注目されています。
こちらでその一部をご紹介します。
詳細内容
株式会社リクルートマーケティングパートナーズは、AIを活用した自動化マーケティングツール「ABテスト自動最適化ツール」という製品を開発しました。
このツールでは、Pythonを用いて機械学習アルゴリズムを実装しています。
具体的には、ユーザーが設定した目的変数(例えば、購買率)を最大化するために、複数の変数(例えば、商品の画像やタイトルなど)をA/Bテストし、最適なバージョンを自動選択する仕組みがあります。
以下に、実際に使われたPythonコードの一部を抜粋してご紹介します。
まず、必要なライブラリをimportします。
“`python
import pandas as pd
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.ensemble import RandomForestRegressor
“`次に、A/Bテストに使用するデータを読み込み、前処理を行います。
“`python
df = pd.read_csv(‘ab_test_data.csv’)# 目的変数と説明変数を分割
X = df.drop([‘購買率’], axis=1)
y = df[‘購買率’]# 学習データと検証データに分割
train_X, test_X, train_y, test_y = train_test_split(X, y, random_state=0)# ラベルエンコーディング
train_X = pd.get_dummies(train_X, columns=[‘商品カテゴリー’])
test_X = pd.get_dummies(test_X, columns=[‘商品カテゴリー’])
“`説明変数として、「商品カテゴリー」や「商品の画像」「商品のタイトル」などを用いています。
これらの変数はラベルエンコーディングで数値化されます。
次に、ランダムフォレスト回帰モデルを構築します。
“`python
rf = RandomForestRegressor(n_estimators=100, random_state=0)
rf.fit(train_X, train_y)
“`ランダムフォレスト回帰モデルは、多数の決定木を用いて予測を行います。
ここでは、100個の決定木を用いたモデルを構築しています。
最後に、最適なバージョンを選択するためのコードを見てみましょう。
“`python
def get_best_version(df, model):
# 各バージョンのスコアを計算
scores = {}
for i, row in df.iterrows():
version_idx = row[‘version’]
inputs = row.drop([‘version’, ‘購買率’])
score = model.predict([inputs])[0]
if version_idx not in scores:
scores[version_idx] = []
scores[version_idx].append(score) # 各バージョンの平均スコアを計算し、最適なバージョンを選択
best_version = None
best_score = -1
for version_idx, version_scores in scores.items():
mean_score = sum(version_scores) / len(version_scores)
if mean_score > best_score:
best_version = version_idx
best_score = mean_score return best_version
“`この関数は、各バージョンのスコアを計算し、平均スコアが最大となるバージョンを自動選択するためのものです。
実際には、この関数を定期的に実行して、自動的に最適なバージョンを選択しています。
以上が、「ABテスト自動最適化ツール」のPythonコードの一部の紹介です。
Pythonを用いることで、機械学習アルゴリズムを実装することが容易になり、自動化マーケティングツールの開発に大きく貢献しています。
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