要約
Pythonは様々な分野において活用されていますが、今回は国内外で展開する「楽天グループ」におけるPython導入事例を紹介します。
楽天グループは、ネットショッピングサイト「楽天市場」をはじめとしたECサービスや、旅行・宿泊・フィットネス・保険といった様々な分野に進出しています。
Pythonを活用することにより、楽天グループは大規模で複雑なシステムをよりスムーズに運用できるようになり、ビッグデータ分析や機械学習など、より高度な処理や開発にも活用されています。
そこで、具体的な事例を紹介します。
詳細内容
楽天グループにおけるPythonの導入事例は様々ですが、ここでは代表的な2つを紹介します。
1つ目は、楽天市場のトップページや商品詳細ページなどで利用されている推薦エンジンです。
これは、ユーザーの行動履歴や購入履歴などから、そのユーザーが興味を持ちそうな商品を自動的に推薦するものです。
Pythonでこの推薦エンジンを開発することによって、ユーザーにとってより魅力的な商品を提供することができるようになりました。
以下に、簡単な推薦エンジンのコードを示します。
“`
import pandas as pd
from sklearn.feature_extraction.text import TfidfVectorizer
from sklearn.metrics.pairwise import cosine_similarity#商品情報を含むデータを読み込む
df = pd.read_csv(‘product_info.csv’)#商品情報をベクトル化する
tfidf_vectorizer = TfidfVectorizer(use_idf=True)
tfidf_matrix = tfidf_vectorizer.fit_transform(df[‘商品説明’])#商品間の類似度を計算する
cosine_similarities = cosine_similarity(tfidf_matrix, tfidf_matrix)def get_recommendations(productId):
#商品IDに対応する商品のインデックスを取得する
idx = df[df[‘商品ID’] == productId].index[0] #その商品と類似度の高い商品を取得する
similar_products = list(enumerate(cosine_similarities[idx]))
similar_products = sorted(similar_products, key=lambda x: x[1], reverse=True)
similar_products = similar_products[1:6] #推薦される商品の情報を取得する
recommended_products = []
for product in similar_products:
recommended_products.append(df.iloc[product[0]])
return recommended_products
“`このコードでは、商品情報を含むCSVファイルを読み込み、商品説明をベクトル化し、商品間の類似度を計算しています。
`get_recommendations`関数では、引数として渡された商品IDに対して類似度の高い商品を5つ取得し、その商品の情報を返しています。
2つ目は、楽天トラベルでの旅行プランの自動生成システムです。
Pythonを用いて、需要予測モデルやスケジュール最適化モデルを開発し、最適な旅行プランを自動生成することができるようになりました。
以下に、需要予測モデルのコードを示します。
“`
import pandas as pd
from sklearn.ensemble import RandomForestRegressor#旅行予約データを読み込む
df = pd.read_csv(‘reservation_data.csv’)#特徴量とターゲット変数にデータを分割する
X = df.drop([‘売上高’], axis=1)
y = df[‘売上高’]#ランダムフォレストで予測モデルを構築する
rf = RandomForestRegressor(n_estimators=100)
rf.fit(X, y)#新しい予約情報から売上高を予測する関数
def predict_revenue(new_reservation):
return rf.predict(new_reservation)[0]
“`このコードでは、旅行予約データを用いてランダムフォレストによる予測モデルを構築し、新しい予約情報から売上高を予測する関数を定義しています。
以上のように、Pythonを活用することにより、大規模かつ複雑なシステムにおいてもスムーズな運用が可能となり、高度なビッグデータ分析や機械学習のプロジェクトにも取り組むことができます。
コメント